http://apricot-tree.asablo.jp/blog/img/2013/06/17/29f71b.jpg

絵本紹介(134) きつねのおきゃくさま2014年10月09日 23:09

題名   : きつねのおきゃくさま
文    : あまん きみこ
絵    : 二俣 英五郎
発行所 : サンリード

 イソップ物語に出て来るキツネはいつでも悪者なのに、日本の昔ばなしのキツネは、どこか憎めないお人よしのことが多いように思います。  この絵本も、昔ばなし風でイソップ風の創作物語ですが、ゴンギツネのような悲しい結末が待っていました。

 昔々、はらぺこのキツネが歩いていると、やせたヒヨコに出会いました。キツネはいきなりがぶりとはやらず、太らせてから食べようと考えていると、ヒヨコはキツネに「どこかいい住処はないかなあ。」と尋ねました。


 キツネは心の中でニヤリと笑いながら、それなら俺の家に来ればよいといって、ヒヨコを自分の家に連れて帰りました。そしてヒヨコに優しくたべさせてやると、ヒヨコに「やさしいおにいちゃん」と呼ばれて、思わずうれしくて、ぼおっとなってしまいました。


 ヒヨコはやがて丸々と太って、ある日、散歩に出かけたいと言い出しました。さては逃げるつもりだなと、隠れて後を追うキツネ。
 そのうちヒヨコはやせたアヒルに出会います。「やあ、ひよこ。どこかに いいすみかはないかなあ」とアヒルが聞いたので、ヒヨコはキツネのお兄ちゃんがとても親切だといって、アヒルをキツネの家に誘いました。

 キツネは内心しめしめとほくそ笑みながら、アヒルも世話をして、りっぱに太らせました。
 すると今度は、ヒヨコとアヒルが散歩に出かけて、やせたウサギを連れてきました。キツネのお兄ちゃんは神様みたいなんだと言って。
 ヒヨコとアヒルとウサギと、ご馳走が向こうからやって来たことに喜びながら、3人に感謝されると、キツネはぼおっとして気絶しそうになりました。


 ある日、山からオオカミが降りてきて、キツネの家にヒヨコとアヒルとウサギがいることを嗅ぎつけました。
 キツネは勇敢にオオカミと戦って、とうとうオオカミを追い返します。
 でも、ボロボロに傷ついたキツネは、その夜笑いながら死んでしまいました。


 キツネって、なんか悪者扱いできないですよね。この物語のキツネも、結局えらいいいやつじゃないですか!
 全国至る所にお稲荷さんが祭られているのは、日本人がキツネを農耕の神様として大事にしてきたからなのでしょうね。
 北海道の観光地では、よくキタキツネが餌を目当てにヒトの前に出てきますが、エキノコックスという怖い寄生虫を持っているかもしれないので、可愛くても触ったりしないように気を付けましょうね。