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ささやく中国からのお客さま2014年10月07日 23:35

 たいへん失礼を承知で言わせていただくと、私が抱く中国の方たちの印象は、よくしゃべる、声がおおきい、早口、自己主張が強い(強そう)、品がおよろしいとはいえない、などなどです。

 おとといの日曜日、東京地方は一日中結構強い雨でした。
 覚悟はしていましたが、開店してみたものの、朝からずーっとノーゲストで、閉店まであと1時間を切ったころです。

 中国語(と思われた)言葉を交わすとてもポップないでたちの男女二人が、その日初めてのお客様として来店して下さいました。

 場所柄、中国、香港、台湾のお客さまの来店はよくあるのですが、大概雑貨に興味を持って見て行って下さいます。
 でも日曜日のお客さまは、絵本を楽しそうに見て回っていました。

 ちょっと肌寒い夕方だったので、お二人に暖かいお茶をお出ししてみると、気を許してくれたのか、男性が店内の写真をとっても良いかと聞いてきます。それもとてもゆったりしたスピードで、ささやくように「エクス キューズ ミー。 キャン アイ。。。(写真パチパチのジェスチャー)」

 どうぞどうぞ、好きなところ撮ってくださいとお応えして、「どこからですか?台湾ですか?」と聞いてみました。(恰好がとてもポップだったので)
 すると中国本土からだそうで、建国記念日のお休みなのだそうです。
 そして、日本語の絵本を数冊買われて、恥ずかしそうに。「実は私、絵本のイラストレーターを目指しているんです。」「中国の絵本は、まだまだ日本のものほど質が良くなくて、日本の絵本参考にしています。」と消え入るような、やさしい声色で打ち明けてくれました。

 そして、もっと恥ずかしそうに、もっと小声で、
 「あのオジサンも絵本書くヒト?」 
 「あー残念。描けたらいいなと思って夢見てるんだけどね。」
 「じゃぁ、これだけの絵本、趣味で集めたの?」
 「そんなとこかな。」
 「すごいねー。」

 「いつか君が中国で素敵な絵本作家になること、期待しているよ。」
 「ありがとう。僕もそうなりたいと願ってます。」
 「未来の大作家に会えて楽しかった。」

 今までの中国人のイメージを大きく打ち破る内気な可愛らしい青年でした。
 
 当たり前ですが、日本人と言ったっていろいろな人がいて、ひとくくりにできないのと同じように、中国人だってものすごくたくさんのタイプの人がいるんですよね。
 いつもそこを忘れて、ついつい、もうアメリカ人は!とか、中国人ときたら、とかレッテルを貼ってしまっていて、きっと損をしているんだろうなぁ。
 閉店間際、ちょっとあったかな気持ちになって営業を終えることができました。

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