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絵本紹介(93) おかえし2014年05月12日 23:44

題名    : おかえし
文     : 村山 桂子
絵     : 織茂 恭子
出版社  : 福音館書店

 ここのところ比較的新しく出版された絵本をご紹介していましたが、今日は1985年初版の懐かしい絵本「おかえし」のご紹介です。
 ちょうど我が家の上の子が幼稚園の頃大好きでいつも大笑いしていた絵本ですが、大人は案外思い当る経験があって、単純には笑えないかもしれません。

 ある日たぬきの家の隣にキツネが引っ越してきました。
 引っ越しの荷物を片付けたキツネの奥さんは、さっそくお隣のたぬきのお家に、かごいっぱいのイチゴを持ってあいさつにいきました。

 「今度隣に越してきたキツネです。これはほんのつまらないものですが。。。」

 イチゴを受け取ってたぬきの奥さんは大喜びして、なにかお返しをしなきゃと考えて、家にあった掘りたての筍をもってキツネの家を訪ねました。
 「先ほどは結構なものをありがとうございました。これはつまらないものですが、お返しです。」


 立派な筍をもらったキツネの奥さんは、なにかお返しのお返しをしなければと今度はたぬきの家に花瓶を届けて、たぬきの奥さんはそのお返しのお返しのお返しに絵とつぼを持っていきました。

 こうしてお互いにプレゼントの応酬が始まりますが、どちらも相手の好意がうれしくて、今度は自分が相手を喜ばせたくてプレゼントの価値がどんどん上がっていきます。


 やがてはお互いに家財道具を丸ごとあげ合って、もう家の中にあげるものがなくなって、とうとうあんなものまであげてしまいます。


 キツネの奥さんとたぬきの奥さんのお返し合戦、結末はさてどうなるのでしょう。
「これは○○のお返しのお返しのお返しのお返しです。」とか、「こちらは先ほどの△△のお返しのお返しのお返しのお返しのおかえしです。」とか、お返しがたーくさん繰り返されるキツネとたぬきの言い分が、我が家の娘は大大大好きでした。


   大人って、時々この手のお返しループにハマりますよね。例えば職場の同僚に買って帰る旅のお土産。
 「この前貰っちゃったから、買って帰らなきゃまずいよねー。」と、旅先の名前が包装に書かれて、できるだけ沢山はいって、箱が大きくも重くもなくて、小分けされていて配りやすくて、日持ちがして、お値段が手ごろなお菓子を探し求めたりしてしまいます。
 先日佐賀土産で求めた吉野ヶ里クッキーは、20枚入りで\540! 味も悪くなくて理想的なバラマキお菓子でした。

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