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STAP現象2014年04月28日 20:48

 生物学の常識を覆す大発見と大騒ぎした後、論文からつぎつぎ見つかる虚偽記載に雲隠れした当事者と一転大スキャンダル的取材ネタに発展してしまったSTAP細胞ですが、ここのところ韓国の大惨事ニュースの陰に隠れて、世間的にはもうウンザリの話題になってしまったかのようですね。

 最初に理研があんな派手なパフォーマンスをしなければ、メディアがこぞって日本再生の切り札みたいに持ち上げなければ、例え一流誌に投稿した論文にねつ造疑惑があっても、私たち一般人には全く別世界のお話だったのでしょうから、ハシカの高熱みたいに急に冷めても不思議ではないのでしょう。

 でも個人的にずっと気になっていることは、世間の偉い学者先生のほとんどが言うように、STAP細胞なるもの自体インチキだとバッサリ切って捨ててしまってよいのか?ということ。
 事実ならノーベル賞級の発見なのに。
 
 確かにこれだけつぎつぎイカサマと疑われる事実が発覚して、証拠を示せないなら、もともとウソだからとあきれられても仕方ないのでしょうが。

 今日、再生医療関連で調べ物をしていてたまたま見つけた2012年に熊本大学の研究者が発表した論文によると、人の線維芽細胞(皮膚を作る細胞)を乳酸菌と一緒に培養したら、線維芽細胞が多能性を獲得して、筋肉にも、神経にもなれる(分化できる)細胞に変わったそうです。 
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0051866
 投稿された論文が誰でも無料で読むことができる歴史の浅い電子ジャーナルだったので、STAP細胞ほど大騒動にならなかったのかもしれませんが、ヒトの細胞で実現していることから、生物学的インパクトはSTAP細胞以上にに大きい研究成果かもしれません。

 STAP現象ととても似た現象を、成人由来のヒト細胞で、理研と無関係のグループが経験して、理研より先に報告していた。 
 この意味するところは、分化した細胞もよく注意して見れば、何かの拍子に先祖返りするきっかけがそこここにあることを示唆しているのでは。。。

 ワイドショー的騒ぎが一息ついたところで、幹細胞や多能性細胞の研究者は、委縮しないで落ち着いて研究を続けて、是非STAP現象の存在を証明してもらいたいものです。期待してまーす。