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絵本紹介(82) ちがうねん2014年04月03日 23:15

題名   : ちがうねん
作    : ジョン クラッセン
訳    : 長谷川 義史
出版社 : クレヨンハウス

 前回に引き続き、ジョン・クラッセン作の絵本を、長谷川義史さんが味のある大阪弁で翻訳した絵本のご紹介です。
 前回ご紹介の「どこいったん」よりもさらに大阪弁の醸し出すゆったりしたリズム・心地よさと、裏腹に迫りくる危機の対比が見事な作品に仕上がっていると思います。

 ちいさな魚が水色の帽子をかぶって泳いでいます。
 「このぼうし ぼくのと ちがうねん。 とってきてん。」


 「おっきな さかなから とってきてん。 ねてるまに。」

 「きっと まだ ねてるわ。」
 (いやいや、おおきな魚が目をさます絵が。。。)

 「まあ おきたとしても、ぼうしのことなんか きがつけへんわ」
 (ちょっとぉ、大きな魚、きがついたみたいよ。。。)


 「まあ きがついたとしても、 ぼくのことなんか あやしめへんわ。」
 (おいおい、なんか勘付いたんじゃない?)

 「まあ あやしんだとしても、 ぼくの いきさきなんか わからへんわ。」
 「あっ、カニにみられたけど。 カニと ぼくの ひみつやねん。」
 (うわぁぁぁ。 カニ あっさり白状しちゃってるよ。。。)


 自分に危機が迫っていることに気づかず、のんきに隠れたつもりになっている小さい魚。 さて、運命やいかにぃ。

 「水の中、だあれにも みつからへん。 こわー、なお話をゆらゆらと訳してん。」 巻末の訳者長谷川さんの言葉です。

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