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What's new?2013年08月01日 19:25

 毎週1時間だけ、カナダ人のイアンさんという男性の先生に、英語のおしゃべりにに付き合って貰ってます。
 と言っても、あまり向上心を持って臨んでいない怠慢生徒なので(イアン先生ごめんなさい。)、1時間のうち8~9割をイアンさんがしゃべって、私はほとんど聞き役です。当然、上達はしません。

 そんな気楽な時間のはずなのに、毎回はじまりの挨拶としてイアンさんが聞く”What's new?”が結構なプレッシャーです。

 ”What's new?” 直訳すると、「なんか新しいことあった?」
 一般的には相手は本気で答えを期待して尋ねているわけではなくて、「ここんとこ、どう?」的な軽い挨拶なので、「別に」とか「まあなんとか」と答えて置けば良いと言われています。

 でも小心者としては、毎回”Nothing special”(「とくにない」)とか”So so”(「まあまあだね」)とかしか答えられないと、つまんない人間と思われてしまうのではないかと心配で。(実際つまらない人間なのにね。)
 なんとか「こんなことがあったんだよ」とイアンさんが面白がる話題を提供したくて、一週間を振り返るのですが、「あれっ。何やったっけ?」 
 会社に行ったこと以外、なにも思い出せないことが多くて、とても焦ります。

 もっとも、毎日トピックスで溢れている生活を送れている人など、そんなにいるわけが無いことは分かっているのですが。。。 やはり話題豊富な人は、憧れます。
 「ねえ聞いてヨー」と友達とのおしゃべり楽しそうなお嬢さんたち、いいなー。

 先日、65歳以上の独居男性の16%が、2週間誰とも会話無し、という厚労省のショッキングな調査結果が新聞、ニュースをにぎわしました。 きっと会社務めに人生の大半を使ってきたオジサン族にとっては、会社と縁が切れてしまうと、誰と話していいのか、何を話していいのか、途方に暮れてしまうのでしょうね。まして、男は黙ってサッポロビールの世代なら、なおさら。 健さんなら沈黙の背中が語るけど、普通のオジサンじゃ様にならないですよね。
 自分も先行き16%の仲間入りをしそうで、もっとご近所付き合いとか、趣味の範囲とかを拡げなくちゃなと思ってはみるのですが。。。

 突然、今週のWhat's new?どうしようと気になりだして、愚痴ってしまいました。すみません。

蝉は7年。実はあやしい。2013年08月02日 21:14

 昨晩、犬を連れて近くの公園を散歩していたら、今年初めて蝉の幼虫と出会いました。

 土から這い出てきて、人通りが多いアスファルトの歩道をホフク前進中の2匹を発見。夜でも人通りが結構あるので、そのままで踏まれてはかわいそうと思い、拾い上げて近くの木の幹につかまらせると、2匹ともお礼も言わず(言ったら怖いけど)上を目指して夢中で登って行きました。

 しばらく幼虫の後ろ姿を見送っていたら、木の上から何かが地面にドサッ。なんだろうと見ると、羽根が薄い緑色の羽化したてのアブラゼミが、地面でもがいています。
 そのままでは力尽きそうなので、こいつも拾い上げて木の幹につかまらせました。
羽化したばかりの蝉

 7年間、土の中でご苦労さんと声をかけつつ、待てよ、アブラゼミって本当に土の中7年だっけと不安になって、帰ってさっそくネットで調べてみました。
 そうしたら、実はアブラゼミはだいたい3年か4年で、長くても5年で成虫になるという記述が。自分で蝉の幼虫を飼育して羽化させた方がホームページで観察データを発表されているので、かなり信憑性が高いと思います。(蝉雑記帳http://www003.upp.so-net.ne.jp/cicada)蝉の幼虫って、飼育できるんですね。これもビックリ。

 子供の頃から、蝉は土の中で7年間と刷り込まれて、昨日まで全く疑わずにいました。しかも、一応「動物学教室」というところを卒業しているのですが、講義でもそんな話は聞いたことありませんでした。(もっともサボってばかりでしたが) 子供にも、得意になって「蝉は7年も土の中で過ごすんだぞ」で通してしまったので、かなりショックです。

 思い込みって、怖いですね。
 なんでも、これが最高とか、全部わかったと思わずに、「でも本当かな?」と疑ってみないと、進歩しませんね。

 余談ですが、学生時代セミを解剖しました。そしたら、あの大きなおなかには細い消化管と隅っこに生殖器(卵巣か精巣)くらいしか入っていなくて、ほとんどからっぽでした。多分、からっぽのお腹は鳴き声を大きく反響させるのに役立っているんじゃないかと思っていますが、思い込んじゃいけませんよね。後で調べなきゃ。 でもあの時は、成虫は子孫を残すためだけの、きわめて合理的な体型なんだなぁと感心したことを思い出しました。

ジブリ映画見てきました。2013年08月03日 18:00

 金曜日、勤めが休みのUshiさんと、宮崎駿監督の「風たちぬ」朝一の上映を、新宿ピカデリーで見てきました。

 前日に上映スケジュールをネットで調べていたら、あらかじめ見たい作品のチケットを、上映時刻、座席を指定して予約できるサービスがあることに気づきました。(いったい いつから。。。)おまけにどちらか50歳以上の夫婦は、ひとり\1,250になる割引まで。二人とも50歳以上だから、もう¥500まけてくれたらもっといいのに。

 平日とはいえ、人気の宮崎アニメなので、一応座席を押さえて一安心。便利な時代になったなぁと思いつつも、でもネット使えない人はどうなるんだろう、と心配にもなりました。

 映画は、平日朝一であったせいもあり、心配するほどの混雑はなく、座席もあちこちに空席が目立つゆったり状態。しかもいつものジブリ映画と違って、お子様の姿は皆無でした。

映画の評価は、ひとそれぞれと思いますが、私は「好き」かな。
 すごく良かったとか、感動したとかまではいきませんが、ある種のさわやかさを感じた映画でした。なんか宮崎監督、もう客に媚びずに作りたいもの作ったのかなと感じました。

 ストーリーは飛行機の美しさに魅せられた少年が、幼いころに抱いた夢を忘れずに、腕の良い飛行機設計技師になり、やがて欧米人をあっと言わせたゼロ戦を設計する話が主題です。
 その主題が縦軸とすると、関東大震災、世界恐慌、第二次世界大戦という時代背景が横軸として加わり、物語に二次元的な広がりを持たせています。時々主人公の夢の中がでてくるので、場合によっては三次元ともいえます。そして、主人公の一途な恋や、外国人スパイとの交流がそのままでは平坦で退屈になってしまう技術者の成長物語にスパイスを加えているという感じです。

 時代柄、飛行機の設計=兵器開発で、どうしても戦争への加担が影を落としますが、主人公周辺はあくまで技術者として、事実を冷静に分析して、技術の高みだけを目指して、戦争の高揚感から一歩引いていたんだよとして描かれていました。
 
 その真偽は別にして、大正から昭和にかけて、先進国に何とか追いつこうとする技術者たちの真摯な挑戦は、昔大ヒットしたプロジェクトXに似て、つい応援したくなりました。
 またやがて主人公の妻になる少女は、宮崎監督お得意の意思の強い美少女で、作戦とわかっていてもつい感情移入して目頭が熱くなってしまいました。

 と、いうようなことで、朝早起きして見に行っても、十分元がとれたなーと単純に喜んでいます。

 それにしても、私たちは入場開始のアナウンスを聞いてすぐに入場したのですが、劇場に入ってみると、われわれが予約した座席の隣(スクリーンが最も見やすい一等席)に、すでにネクタイを締めたおよそアニメが似合わない年配のオジサン二人が、つまらなそうに鎮座していました。 接待?まさかね。 あの二人、いったい何者だったのだろう。。。

絵本紹介(20)2013年08月04日 16:37

サウスポー
題名   : サウスポー
文    : ジュディス ヴィオースト
絵    : はた こうしろう
訳    : 金原 瑞人
出版社 : 文溪堂

 この絵本は2011年初版なので、比較的新しい本です。ローティーンのかわいらしい恋の行方が、甘酸っぱいお話です。

 リチャードとジャネットはちょっと前まで大の仲良し。それが些細なことから仲たがい。些細なこととは、リチャードがキャプテンの野球チームに、ジャネットを入れてあげないこと。 リチャードとしてはキャプテンという立場上、慣例を破って女の子をチームに入れるわけには行きません。ジャネットはそういう男の子のバカみたいな見栄が、頭に来ているようです。

 そして、ジャネットがリチャードにメモを押し付ける場面から、お話が始まります。
ジャネット

 【リチャードへ
  あんたのたんじょう日パーティー、よんでくれなくていいからね。
  あたし、いかないから。それから、ディズニーランドのトレーナー、かえして。こないだ、かしたげたやつ。 <中略> もと友だちのジャネット
 P.S. こんど、はいしゃに行ったら20本くらい虫歯あるよ、きっと。】

リチャード

 【ジャネットへ 
  ださいディズニーランドのトレーナー、かえせっていうんなら、かえすよ。 そのかわり、ぼくのマンガ、かえしてくれよな。 まだ読み終わってなくても。 <中略> もと友だちのリチャード
  P.S. こんどの健康しんだんで、ハショーフーの注射されるぞ、きっと。】

 こんな感じで二人は憎まれ口を書いたメモの応酬をします。
 ヒートアップしすぎてお互いに言ってはいけない言葉まで。そしてお互いに傷ついて、互いの大事さを再び認識し直します。

 最初のケンカ状態のメモのやりとりがとてもおかしくて、そのあとお互いを気遣いながら、少しずつ妥協点を探っていくふたり。
 でも結局ジャネットの方が少し優勢なようで、リチャードは譲歩に譲歩を重ねた感じです。 最後はほほえましいハッピーエンドですよ。
 なんか、我が家の日常を見ているようで、リチャード頑張れと応援したんですが。。。やっぱりジャネットにしてやられちゃいました。

 ところどころ、原作の英語メモが入っていて、金原瑞人さんの訳の素晴らしさが垣間見えます。
 はたこうしろうさんのイラストも、イメージの中のアメリカンスクール(アメリカの学校)そのもので、ジャネットがかわいらしい。

 大昔、マーク・レスターとトレイシー・ハイドのMelodyで、ガイジンの小学生のおませな恋に驚き、憧れたりした時とおんなじように、「いいなー。こんな十代過ごしてみたかったなー。」と、いい年してやっぱり憧れちゃいました。
Happy End

財津さんに会っちゃっいました。2013年08月05日 20:00

 今日の東京はとても暑い一日でした。

 朝から用事であちこち出歩き、締めに表参道の某銀行に出かけたのですが、そこで店から出てくるチューリップのリーダー財津和夫さんと遭遇。 最近、チューリップ再結成などの話題でTVや新聞に取り上げられて、近影を見慣れていたのですぐにわかりました。

 若い人には財津さんといっても「誰?」って感じでしょうが、私の世代にとってはスーパースター。ちょうどポップスに目覚めた中学時代にチューリップは絶頂期で、クラスの女子は財津派と姫野派に分かれて、あーだこーだ言い合っていました。 中学2年の秋に行ったラジオの公開録音では、チューリップの前座がユーミンとアリスだったくらい、超売れっ子のグループだったんですよ。えっ、ユーミンもアリスも知らない? とほほ。

 本当は追いかけてサイン貰いたいところでしたが、あいにくペンも紙もなく、「あ~財津さんだ~。」とただその背中を合掌で見送るのみでした。

 銀行で用事を完結させたあと、近くにある絵本屋の老舗、クレヨンハウスを訪ねてみました。 相変わらずの豊富な絵本の品揃えで、お客さんがたくさん。いつかうちもクレヨンハウスみたいにたくさんの絵本好きに来て貰える店になったらいいなー。

 クレヨンハウスから原宿駅まで、表参道の南側を通る裏道で、神宮前5丁目の公務員宿舎、ネッコ坂と、古い記憶をたどりながら歩きました。ずいぶん変わりましたねー。薩摩寮も見当たらなかったし。。。
 因みにネッコ坂は、日本坂道学会副会長のタモリさんが、好きな坂として著書「タモリのTOKYO坂道美学入門」で紹介しているんですよ。

 夕食済ませて、今もまだ顔が火照っているのは、憧れのスーパースターに会ったから?それとも熱中症? たぶん熱中症。