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絵本紹介(14)2013年07月14日 15:18

 題名   : なみにきをつけて、シャーリー
 文     : ジョン バーニンガム
 絵     : ジョン バーニンガム
 訳     : 辺見まさなお

 ジョン バーニンガムの絵本としては、以前「ねえ、どれがいい」をご紹介しているので、2冊目になります。 私としては「ねえ、どれがいい」と甲乙つけがたく好きな作品です。

 中年の夫婦と、小学生くらいの女の子、それに犬が一匹、海岸へとピクニックにやってきます。

 女の子の名前はシャーリー。
 さっそくお母さんが「みずがつめたくて とてもおよげないわよ、シャーリー」と注意の言葉を投げかけます。

 浜辺にデッキチェアーを置いてくつろぐ夫婦。
 シャーリーは犬と一緒に、浜辺に向かいます。と、そこには置き忘れられたようにたたずむ一艘の古い手漕ぎのボートが。

 デッキチェアーに陣取ったお母さんから、ときどき、どうでもよい注意の言葉がシャーリーに投げられます。
 「あたらしいくつを きたないタールでよごしちゃだめよ。」とか、
 「いしをなげちゃだめよ だれかにあたったらたいへんでしょ。」とか。

 でも、ボートを見つけたシャーリーは素敵な空想の世界を旅していて、おかあさんのくだらない注意なんかちっとも届いていません。

 だって、ボートで犬と沖に漕ぎ出したシャーリーは、海賊船につかまってしまいます。一度は絶体絶命のピンチを迎えますが、犬の機転で難を逃れて、海賊から宝物の隠し場所の地図を奪って脱出。
 地図を頼りに海を渡るシャーリー。やがて無人島をみつけて、宝物を掘り出します。
 宝物の王冠をかぶって海賊の王様になったシャーリー。子分の犬を従えて、夜の海を行きます。

 ここでデッキチェアーのおかあさんの叫び声が。
 「まあ たいへん、こんなじかん!」

 空想の世界から現実に引き戻されるシャーリーですが、でも大丈夫。
 シャーリーの頭の中には、まだまだ果てのない物語が詰まっているのですから。

 
 この絵本は子供のどこまでも自由な想像力と、大人のつまらない現実の対比がとても面白い本です。
 どのページも左側はデッキチェアーからくどくどくだらない言葉を投げかける両親の姿を、右側は素敵な冒険をするシャーリーの姿を描いています。
 
 この本を開くといつも、大人ってなんてつまらなくてくだらないんだろう、嫌になってしまいます。
 子供のやっていることの方に共感を覚える、ということはまだ心は柔らか?

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