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絵本紹介(12)2013年07月09日 19:30

 題名   : うりんぼう
 文    : 椎根 和
 絵    : 荒井 良二
 出版社 : 芸術新聞社

今回の絵本は、つい先日発行されたばかりの新しい本です。

 古事記の時代から、日本人と関係の深い動物、イノシシ。
 好き嫌いなくなんでも食べます。

 2011年3月。フクシマの原子力発電所がバクハツして、あとから降った雨に混じって、放射能が山、川、畑、木、田んぼに染み込みました。

 フクシマの人々は、米も、果物も、野菜も、肉も、魚も食べられなくなって、住んでいることもできなくなりました。

 動物や虫とお話の出来るフクシマの王子様が、イノシシの王様に、フクシマの汚れた木の葉、木の実、キノコを全部食べつくしてくださいと頼みます。

 フクシマの、人間の、自然の危機に、イノシシたちが立ち上がる物語。荒井良二さんの荒削り風の絵が、イノシシの王様の男気を際だたせる絵本です。
 
 今、「是非ともお願いします!」を連呼するセンセーたちに、イノシシの王様の糞でも煎じて飲ませますか。